「図書館で働きたいけど、実際どんな仕事をするの?」「本が好きだから司書になりたい…でも給料とか待遇ってどうなの?」
こんな疑問や不安を抱えている方、実はかなり多いんです。図書館司書という仕事は、外から見るとのんびり本を読んでいるイメージがあるかもしれませんが、実際の現場はまったく違います。
貸出・返却のカウンター業務から、利用者の調べもの相談に答えるレファレンス業務、イベント企画、さらには重い本を運ぶ体力仕事まで…想像以上に幅広い仕事が待っています。
この記事では、図書館司書の具体的な仕事内容から給料事情、資格の取り方、そして「実際きついの?」というリアルな部分まで、すべてお伝えします。
- 図書館司書の7つの主要業務と一日の流れ
- 正規・非正規で大きく違う給料のリアル
- 資格の取り方と就職までの道のり
- 現場で感じるやりがいと大変なこと
図書館司書とは?基本的な役割と種類

図書館司書とは、図書館で資料の収集・整理・保存を行い、利用者への情報提供を担当する専門職員のことです。単なる「本の管理人」ではなく、利用者と情報をつなぐ「情報のプロフェッショナル」としての役割を担っています。
図書館法に基づく専門資格
司書は図書館法に定められた国家資格です。図書館資料の選択、発注、受け入れから、分類、目録作成、貸出業務、レファレンス、読書案内まで幅広い業務を専門的に行います。
「本が好きなら誰でもできる」と思われがちですが、実際には情報検索のスキルや利用者対応のコミュニケーション能力など、専門的な知識とスキルが求められる職業です。
司書と司書補の違い
司書補は、司書の職務を補助する役割を担います。高校卒業後に司書補の講習を受講することで資格を取得でき、3年以上の実務経験を積むことで司書資格の取得要件を満たすことができます。
| 項目 | 司書 | 司書補 |
|---|---|---|
| 学歴要件 | 大学・短大卒業 | 高校卒業以上 |
| 取得方法 | 大学で科目履修または司書講習 | 司書補講習(約1ヶ月) |
| 役割 | 図書館業務全般 | 司書の補助業務 |
働ける図書館の種類
図書館司書が活躍できる場は多岐にわたります。それぞれ求められる専門性や業務内容が異なるため、自分に合った職場を選ぶことが大切です。
公共図書館は都道府県立や市区町村立の図書館で、地域住民の誰もが利用できます。子どもから高齢者まで幅広い年齢層に対応し、読み聞かせ会などのイベント企画も多いのが特徴です。
大学図書館は学生や教職員、研究者を主な利用者とし、学術資料の収集・管理や電子ジャーナルの契約管理など、より専門的な業務が求められます。
学校図書館は小中高校に設置され、児童・生徒の学習支援や読書活動の推進を担います。教員と連携しながら調べ学習をサポートする役割もあります。
司書教諭との違い
学校図書館には「司書教諭」という資格もあります。これは教員免許と併せて取得する資格で、学校の図書館教育を担当します。図書館司書とは別の資格ですので、学校で働きたい場合は注意が必要です。
「司書」と「司書教諭」、どっちを目指せばいいの?→ 公共図書館で働きたいなら「司書」、学校で教員として図書館教育に関わりたいなら「司書教諭」を目指しましょう。
図書館司書の主な仕事内容7つ
図書館司書の仕事は大きく7つに分類されます。「本を貸し出すだけ」というイメージとはかなり違う、幅広い業務を担当することになります。
1. カウンター業務(貸出・返却)
図書館司書の仕事として最もイメージしやすいのがカウンター業務です。利用者の貸出カードと本のバーコードを読み取り、貸出・返却の処理を行います。
単純作業に見えますが、延滞している利用者への声かけや、初めて来館した方への利用案内、貸出カードの発行手続きなど、コミュニケーション能力が求められる場面も多いです。
2. レファレンス業務(調べもの相談)
レファレンス業務は、司書の専門性が最も発揮される仕事です。「○○について調べたい」「この情報が載っている本はありますか?」といった利用者の相談に対して、適切な資料を紹介します。
「著者もタイトルもわからない、『数年前に読んだ青い表紙の本』という情報だけで本を探すこともあります。少ない手がかりから正解を見つけ出せた時は、本当にやりがいを感じます」
3. 配架・書架整理
返却された本を元の場所に戻す「配架」と、書棚を定期的にチェックして本を正しい位置に並べ替える「書架整理」は、毎日欠かせない業務です。
日本の図書館では「日本十進分類法(NDC)」に基づいて本が分類されており、この番号を覚えていないと正しい場所に戻せません。また、利用者が本を戻す際に間違った場所に置いてしまうことも多いため、日常的な整理が必要です。
4. 選書(資料の選定)
新しく出版される本の中から、図書館に置くべき本を選ぶのも司書の重要な仕事です。限られた予算の中で、地域住民のニーズに合った本を選ばなければなりません。
話題の新刊を入れるか、専門書を充実させるか、児童書を増やすか…さまざまな観点から判断が求められます。
5. 目録作成・資料整理
新しく受け入れた本をデータベースに登録し、バーコードラベルや背ラベルを貼って利用できる状態にする作業です。これにより、利用者がオンラインで本を検索できるようになります。
6. イベント企画・運営
子ども向けの「おはなし会」や、大人向けの著者講演会、映画上映会など、図書館では様々なイベントが開催されます。企画から準備、当日の運営まで司書が担当することが多いです。
「クリスマスの本特集」「夏休みの宿題特集」といった展示コーナーの設置も、利用者に新しい本との出会いを提供する大切な仕事です。
7. その他の業務
年に一度の蔵書点検、他館との相互貸借の手配、統計データの作成など、表に見えない事務作業も多くあります。
相互貸借とは、自館に所蔵していない本を他の図書館から借りて利用者に提供するサービスのこと。全国の図書館がネットワークでつながっているため、遠くの図書館の本も取り寄せることができます。この手配も司書の重要な仕事です。
また、破損した本の修理や、古くなった本を「除籍」して蔵書から外す判断も行います。限られたスペースと予算の中で、どの本を残し、どの本を入れ替えるか…司書の判断が図書館のコレクションを左右します。
| 業務 | 頻度 | 特徴 |
|---|---|---|
| カウンター業務 | 毎日 | 利用者対応が中心 |
| レファレンス | 随時 | 専門性が必要 |
| 配架・書架整理 | 毎日 | 体力仕事 |
| 選書 | 週〜月単位 | 判断力が必要 |
| イベント企画 | 月〜年単位 | 企画力が必要 |
図書館司書の一日の流れ
公共図書館で働く司書の一日を具体的に見ていきましょう。「のんびり本を読んでいる」というイメージとは程遠い、充実したスケジュールが待っています。
午前の業務(9:00〜12:00)
9:00 出勤・開館準備
パソコンを起動してシステムを確認し、前日の返却ポストに入っていた本を回収します。館内を巡回して整理整頓を行い、開館に備えます。
9:30 開館
カウンターに立ち、貸出・返却の対応を開始。同時に、返却された本の配架や予約本の連絡なども進めます。
10:30 レファレンス対応・事務作業
利用者からの問い合わせに対応しながら、新着図書の受入処理や目録作成などの事務作業を行います。
午後の業務(13:00〜17:00)
13:00 カウンター業務
昼休み後は利用者が増える時間帯。貸出・返却対応に加え、予約やリクエストの受付も行います。
14:00 イベント準備・選書会議
週末のおはなし会の準備をしたり、選書会議に参加して新しく購入する本を決めたりします。展示コーナーの入れ替え作業もこの時間に行うことが多いです。
15:00 おはなし会開催(週1〜2回)
子ども向けの読み聞かせイベントを実施。絵本の選定から読み方の練習まで、事前準備も司書の仕事です。
16:00 事務作業・閉館準備
書架整理、統計データの入力、翌日の準備などを行い、閉館時間を迎えます。
「司書って暇そう」と言われることがあるけど、実際はカウンター業務の合間に配架、レファレンス対応、事務作業…と常に動き回っている。座る暇がない日も珍しくない、という声はSNSでもよく見かけます。
シフト制の場合
多くの図書館では開館時間が長いため、シフト制で勤務します。早番(9:00〜17:00)と遅番(12:00〜21:00)を交代で担当することが一般的です。土日祝日も開館している図書館が多いため、平日休みになることもあります。
繁忙期と閑散期
夏休みや年末年始は利用者が増え、特に子ども向けイベントが多くなります。また、年度末の蔵書点検期間は休館して集中的に作業を行うため、普段とは違う業務が発生します。
図書館司書の給料・年収のリアル
図書館司書の給料は、雇用形態によって大きく異なります。ここでは正規職員と非正規職員の待遇差について、具体的な数字とともにお伝えします。
正規職員(地方公務員)の場合
地方公務員として採用された場合、安定した待遇が期待できます。
| 項目 | 金額・内容 |
|---|---|
| 平均月収 | 約40万円 |
| 平均年収 | 約638万円(平均年齢40歳) |
| 初任給(東京都・司書2類) | 月額約19万5,000円 |
| 各種手当 | 扶養・通勤・住居手当など充実 |
| 休暇制度 | 産休・育休・有給など完備 |
ただし、正規職員としての採用は非常に狭き門です。国立国会図書館では倍率約160倍、地方公務員の司書枠でも5〜10倍程度の競争率があります。
非正規職員の場合
現在、公共図書館で働く職員の約7割が非正規雇用という実態があります。会計年度任用職員やパート・アルバイトとして働くケースが大半です。
| 雇用形態 | 給与目安 |
|---|---|
| パートタイム | 時給1,000円〜1,300円程度 |
| フルタイム(週5日) | 月給13万円〜21万円 |
| 年収 | 約150万円〜200万円 |
・福利厚生が整っていないケースが多い
・社会保険に加入できない場合がある
・雇用契約が1年更新で不安定
・正規職員と同じ業務でも給料に大きな差がある
民間企業運営の図書館
TRC(図書館流通センター)などの民間企業が運営する図書館も増えています。時給は1,165円〜1,337円程度(東京都内)で、交通費支給や資格取得支援制度があるところも。契約社員から正社員への登用制度を設けている企業もあります。
給料アップの可能性
非正規から正規職員になる、管理職に昇進する、より待遇の良い図書館に転職するなどの方法で給料アップを目指すことは可能です。ただし、いずれも狭き門であることは認識しておく必要があります。
民間企業のTRCなどでは、パートや契約社員として働きながら司書資格を取得し、正社員への登用を目指せる制度もあります。「まずは現場で経験を積みながらキャリアアップを目指す」という選択肢も検討してみてください。
図書館司書になるには?資格取得方法
図書館司書として働くためには、まず資格を取得し、その後就職先を見つける必要があります。ここでは資格取得から就職までの道のりを解説します。
資格取得の3つの方法
図書館法第5条により、司書資格を取得する方法は3つあります。
- 方法1:大学・短大で必要科目を履修し卒業(最もオーソドックス)
- 方法2:大学・短大・高専卒業後に司書講習(約2ヶ月)を修了
- 方法3:司書補として3年以上勤務後、司書講習を修了
通信制大学での取得
働きながら資格を取得したい場合は、通信制大学で必要科目を履修する方法があります。自分のペースで学習でき、学費も比較的安いのがメリット。スクーリングは年数回程度で、仕事との両立も可能です。
資格取得に必要な科目
司書資格を取得するには、図書館概論、情報サービス論、図書館情報技術論など、所定の科目を履修する必要があります。試験はなく、単位を取得すれば資格が得られます。
資格取得後の就職活動
資格を取得しても、すぐに図書館で働けるわけではありません。公立図書館で働く場合は地方公務員試験を受験して合格する必要があり、民間の場合も求人に応募して採用される必要があります。
「資格を取ってすぐ正規職員になれると思っていたけど、現実は甘くなかった。まずは非正規で経験を積みながら、正規職員の採用試験を受け続けています」
求人情報の探し方
日本図書館協会のホームページ、図書館ジョブなどの専門サイト、各自治体の採用情報、Indeed、ハローワークなどで求人を探すことができます。司書枠の正規採用は不定期に出ることが多いため、こまめなチェックが必要です。
特に公務員の司書枠は、毎年必ず募集があるわけではありません。希望する自治体の採用情報は定期的に確認し、募集が出たらすぐに応募できるよう準備しておきましょう。
図書館司書のやりがいと大変なこと
図書館司書として働く上でのやりがいと、現場で感じる大変さについて、リアルな声をもとにお伝えします。
やりがい①:本に囲まれて働ける
本が好きで司書を目指した人にとって、図書館という環境で仕事ができること自体が大きな喜びです。新刊にいち早く触れられたり、多彩なジャンルの本と出会えたりするのは、この仕事ならではの特権です。
やりがい②:利用者の役に立てる
「探していた本が見つかりました」「おかげで調べ物ができました」という感謝の言葉をもらえることが、何よりのやりがいになります。レファレンス業務で難しい相談に答えられた時の達成感は格別です。
やりがい③:地域に貢献できる
公共図書館は地域の文化拠点です。子どもたちに読書の楽しさを伝え、高齢者の学びを支え、地域住民の知的好奇心を満たす…そんな社会的意義のある仕事に誇りを感じる司書も多くいます。
「図書館を必要としてくれる人がいる、情報を求めている人たちが来てくれている、という事実は、何よりも励みになり、自分の仕事に対する誇りにもなる」という声も。大変なことがあっても、この仕事を続けたいと思える理由がここにあります。
大変なこと①:体力仕事が多い
本は物理的に重いです。返却本の配架、他館への発送作業、蔵書点検など、想像以上に体力を使う場面があります。大きな図書館では、一日に数十箱のコンテナを運ぶこともあります。
大変なこと②:細かい事務作業
目録作成、統計処理、書類作成など、細かい事務作業が非常に多いです。「のんびり本を読んでいる」というイメージとは程遠い現実があります。
大変なこと③:クレーム対応
公共施設であるため、さまざまな利用者が訪れます。中にはクレームをつける人や、マナーを守らない利用者もおり、対応に神経をすり減らすこともあります。
大変なこと④:雇用の不安定さ
非正規雇用が7割を超える現状では、雇用の不安定さが最大の課題です。正規職員と同じ業務をしていても待遇に大きな差があり、将来への不安を抱える司書も少なくありません。
「本が好きだから」という理由だけで司書を目指すと、現実とのギャップに苦しむことも。接客業としての側面や体力仕事があることを理解した上で、目指すかどうかを判断しましょう。
図書館司書に向いている人の特徴
図書館司書として活躍するためには、どのようなスキルや適性が必要なのでしょうか。ここでは向いている人の特徴を具体的に解説します。
本が好き・知的好奇心が旺盛
当然ですが、本が好きであることは大前提です。それに加えて、自分の好みとは関係なく幅広いジャンルに興味を持てる知的好奇心も重要。レファレンス業務では、あらゆる分野の質問を受けることになります。
コミュニケーション能力がある
図書館司書はデスクワークのイメージが強いですが、実際には利用者と接する機会が非常に多い仕事です。「本」と「人」をつなぐ接客業としての側面があることを理解しておきましょう。
情報検索が得意
膨大な資料の中から必要な情報を素早く見つけ出す検索スキルは必須です。データベースの操作やインターネット検索にも習熟している必要があります。
細かい作業が苦にならない
目録作成や書架整理など、細かい事務作業も多いため、丁寧に作業できる人が向いています。分類番号の間違いは利用者が本を見つけられなくなることにつながるため、正確性も求められます。
ITスキルがある
近年は図書館のデジタル化が進んでおり、図書館システムの操作やデータ管理など、基礎的なITスキルが求められます。電子書籍サービスやデジタルアーカイブへの対応も増えています。
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
| 幅広いジャンルに興味がある | 好きな本だけ読んでいたい |
| 人と接するのが好き | 一人で黙々と作業したい |
| 調べ物が好き | 検索は面倒に感じる |
| 細かい作業が得意 | 大雑把な性格 |
図書館の種類別|業務の違いを比較
一口に「図書館司書」といっても、働く図書館の種類によって業務内容は大きく異なります。ここでは公共図書館、大学図書館、学校図書館の違いを詳しく比較します。
公共図書館の特徴
市区町村立や都道府県立の公共図書館は、地域住民の誰もが利用できる施設です。乳幼児から高齢者まで幅広い年齢層に対応するため、様々なサービスが求められます。
子ども向けの「おはなし会」や夏休みイベント、大人向けの講演会や映画上映会など、イベント企画の機会が多いのが特徴。地域の課題解決を支援するビジネス支援サービスや、外国人住民向けの多文化サービスを行う図書館も増えています。
移動図書館(ブックモービル)を運営している自治体では、トラックに本を積んで地域を巡回する業務もあります。
大学図書館の特徴
大学図書館は学生、教職員、研究者を主な利用者とします。学術資料の収集・管理が中心となり、電子ジャーナルやデータベースの契約管理など、より専門的な知識が求められます。
研究者の論文検索を支援したり、学生のレポート作成をサポートしたりする「研究支援サービス」も重要な業務です。機関リポジトリ(大学の研究成果を公開するシステム)の運営に携わることもあります。
公共図書館に比べて落ち着いた環境で働けることが多く、学術的な雰囲気を好む人には向いています。
学校図書館の特徴
小中高校の学校図書館では、児童・生徒の学習支援と読書活動の推進が主な役割です。教員と連携しながら調べ学習をサポートしたり、図書委員会の運営を手伝ったりします。
授業で使う資料を準備したり、読書週間のイベントを企画したりと、学校行事に合わせた業務が発生します。夏休みなど長期休暇中は勤務がない場合もあり、子育て中の方には働きやすい環境かもしれません。
| 項目 | 公共図書館 | 大学図書館 | 学校図書館 |
|---|---|---|---|
| 主な利用者 | 地域住民全般 | 学生・教職員 | 児童・生徒 |
| イベント | 多い | 少なめ | 学校行事に連動 |
| 専門性 | 幅広い対応力 | 学術情報 | 教育支援 |
| 雇用形態 | 公務員or民間 | 大学職員or派遣 | 会計年度任用 |
専門図書館という選択肢
企業、研究機関、官公庁などに設置された専門図書館で働く道もあります。法律事務所の法律図書館、製薬会社の医学図書館など、特定分野に特化した専門知識を活かせる職場です。求人数は少ないですが、専門性を高めたい人には魅力的な選択肢です。
図書館司書に関するよくある質問
図書館司書を目指す方からよく寄せられる質問にお答えします。
Q. 司書資格は独学で取れる?
司書資格は試験で取得するものではなく、所定の科目を履修して取得するものです。完全な独学での取得はできませんが、通信制大学を利用すれば自宅学習中心で資格取得を目指せます。
Q. 資格がなくても図書館で働ける?
法律上、資格がなくても図書館でアルバイトやパートとして働くことは可能です。ただし、正規職員の採用では司書資格を条件としている場合がほとんどです。
Q. 何歳まで図書館司書になれる?
公務員試験では年齢上限が設けられていることが多く、30〜35歳程度が上限となる自治体が多いです。一方、非正規職員や民間企業の求人では年齢制限がない場合も多く、中高年から司書を目指す方もいます。
Q. 男性でも図書館司書になれる?
もちろん男性でも図書館司書になれます。統計上は女性の比率が高い職業ですが、男性司書も多く活躍しています。力仕事が多い場面では男性職員が重宝されることもあります。
Q. 司書の仕事は将来なくなる?
AIの発達により一部の業務は効率化される可能性はありますが、人間ならではの対話を通じたレファレンスサービスや、利用者に寄り添ったサービスの価値は今後も重要です。むしろ、テクノロジーを活用しながら新しい価値を創造できる司書が求められる時代になっています。
Q. 司書の仕事に英語は必要?
公共図書館では必須ではありませんが、外国人利用者の対応や洋書の選書で役立つ場面はあります。大学図書館では海外の学術データベースを扱うことが多く、英語力があると有利です。ただし、入職時点で高い英語力が求められることは少ないでしょう。
Q. 未経験でも図書館で働ける?
未経験OKの求人も多くあります。特にパートやアルバイト、派遣社員としての採用では、資格があれば未経験でも応募可能なケースが多いです。まずは非正規で経験を積み、その後正規職員を目指す人も少なくありません。
「資格は持っているけど実務経験がない…」という不安はよく聞きます。でも大丈夫。多くの図書館では研修制度が整っており、先輩司書から丁寧に教えてもらえる環境があります。まずは一歩踏み出してみることが大切です。
- 近くの図書館を訪れて、司書の仕事を観察してみる
- 図書館のボランティアやアルバイトに参加してみる
- 通信制大学の資料を取り寄せて、資格取得の計画を立てる
- 日本図書館協会のサイトで求人情報をチェックする
まとめ:図書館司書の仕事内容を理解して一歩を踏み出そう
ここまで、図書館司書の仕事内容から給料、資格取得方法、やりがいと大変なことまで詳しく解説してきました。最後に、この記事のポイントを整理します。
- 図書館司書の仕事は貸出・返却だけでなく、レファレンス、選書、イベント企画など多岐にわたる
- 正規職員は年収600万円台だが、非正規(7割)は150〜200万円程度と待遇差が大きい
- 資格取得は大学での科目履修や司書講習で可能、通信制大学なら働きながらも目指せる
- 正規職員の採用は狭き門(倍率5〜160倍)、まずは非正規からスタートする人も多い
- 「本が好き」に加えて、コミュニケーション能力や情報検索スキルも求められる
- 体力仕事や事務作業も多く、イメージとのギャップを感じる人もいる
- それでも「人と本をつなぐ」やりがいは大きく、地域貢献を実感できる仕事
図書館司書は、決して楽な仕事ではありません。非正規雇用が多い現実、正規職員への狭き門、体力仕事や細かい事務作業…厳しい側面があることは事実です。
しかし、本と人をつなぎ、地域の知の拠点を支える仕事には、他では得られないやりがいがあります。「探していた本が見つかりました」と言ってもらえた時、子どもたちが目を輝かせて読み聞かせを聞いてくれた時、その喜びは何物にも代えがたいものです。
正規職員になれなくても、司書として働く道はあります。非正規でも経験を積むことで専門性が高まり、利用者から信頼される存在になれます。雇用形態に関わらず、「本と人をつなぐ」という使命を果たすことに変わりはありません。
デジタル化が進む現代でも、図書館の役割はむしろ広がっています。単なる本の貸し借りの場ではなく、地域の情報拠点、学びの場、居場所として、図書館の価値は再認識されつつあります。その中心で活躍する司書という仕事は、これからも社会に必要とされ続けるでしょう。
まずは近くの図書館を訪れて、司書の仕事を観察してみてください。ボランティアやアルバイトとして働いてみるのも良い方法です。実際の現場を知ることで、自分に向いているかどうかが見えてくるはずです。
図書館司書を目指す道は決して平坦ではありませんが、その志を持ち続けることが大切です。今日から小さな一歩を踏み出してみませんか?あなたの挑戦を応援しています。

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